子育て専門家の頭の中

療育の専門家です。こどものこと、発達障害、知的障害、肢体不自由のこと、ときどきスピリチュアルについて日々の気づきを書きます。読んだ方のお役に少しでも立てたら幸いです。

発達障害・自閉症の偏食について。私の考えと試みたことと。

こんにちは。学校の先生です。

今回は、偏食について話していきたいと思います。

内容はざざっとこんな感じで。

  1. 私が偏食をどうとらえているか
  2. 偏食について、どのようなアプローチをしていったのか

 

最初に一言。

私は子供を出産し、育てていく中で

やっと、食べ物に関する悩みが

我がことのように実感することができました。

 

私の子供は

食欲の塊で

離乳食、乳児食を勢いよく平らげ

もっと食べたいと泣き叫ぶ子供でした。

 

一方

友達の子供は

食べることに興味がなく

あまり食べない

食べたがらない

食事を楽しんでいない

子供でした。

 

親にとって

食事は子供の発達や

成長との関係が深いので

すごく

プレッシャーがかかる。

 

いろいろ工夫しても

あの手この手を試みても

ことごとくへし折られると

親にとっても

食事は苦しみになり

子供にとっても

苦しみになる。

 

そんな苦しみが1日に3回もある。

 

そして

私の子供のように

よく食べる子と比べては

ため息をつく。。。

 

ついつい

食べない我が子を叱り

でも

本当はしかっても

どうしようもないことも

知っていて。

自己嫌悪。

 

そんな友達の姿を目の当たりにして

食事に関して

悩む親は決して少なくないのだな

と思いました。

 

縁あってこのブログへお越しいただきありがとうございます。

 

お子さんの偏食にお困りのお母さんでしょうか。

学校の先生でしょうか。

この記事が少しでもお役に立てられればと思います。

 

※注意点があります。

これから話す内容は

小学校低学年くらいまでの

お子さんについて有効な話です。

自分の経験からいうと

小学校低学年までが

結果が出やすいと思っています。

 

 

1 私が偏食をどうとらえているか

 

自閉症発達障害のお子さんはなぜ、食べ物にこだわるのか。

・白いご飯。

・○○乳業の△△ヨーグルト。

・野菜の切り方。

・特定のメーカーの調味料。

・納豆の臭いで嘔吐する。

 

かなり狭いストライクゾーン。

 

それは、t食べ物を未知なる物体と認識しているからではないかと思います。

口に入れると、生命が脅かされるような物体として認識しているのではないかと思います。

 

なぜか。

 

なぜならば、普段から触れないものが多いから。

つまりは触覚過敏です。

 

触れないものは、食べられない。

私にとって触れないものは

ミミズ、うんち、毛虫、他にもいろいろ。

そして

ミミズも、うんちも、毛虫も

食べられません。

絶対に食べられない。

子供たちは、そんな気持ちなのではないでしょうか。

 

偏食のお子さんは

触覚過敏があることが多い、

というかほとんどです。

 

・砂が嫌い

・洋服の布地、色にこだわる

・手を繋げない

・帽子が嫌い

・マスクが嫌い

・手袋も嫌い

・歯磨きが嫌い

・服が濡れるのが嫌い

・ポケットに物を入れるのが嫌い

・髪の毛を切るのは恐怖。

・強めのシャワーが嫌い。

 

そんなことないですか?

食べられるもののストライクゾーンの狭さと

似ていますよね。

 

まとめますと

偏食のお子さんは、

異様に狭いストライクゾーン以外の食べ物は

未知なるもの

生命を脅かすものとして認識している。

 

この認識は触覚過敏と関係している。 

 

このように私は自閉症発達障害のお子さんの偏食をとらえています。

 

 

 2 偏食について、どのようなアプローチをしていったのか

 

さて、アプローチです。

私は、全身の過敏の状態を調べ

脱感作なるものを行います。

先ほど触れないものは食べられないといいましたが、

アプローチは

手だけではなく

全身に対して行います。

 

教科書的な内容になりますが

過敏と脱感作について話したいと思います。

 

そもそも教科書はあるのか?

まぁ、いいです。

 

まず、過敏に対する基礎知識です。

触覚過敏は触れるものに対して

敏感に感じてしまうことです。

例えば触れられるのが嫌いな人は

人に触れられると

しびれた足に針を刺されたような痛みを

感じると聞いたことがあります。

 

また、過敏は体の中心に向かうほど強く出ます。

体の中心にあるものは

口、首、お腹などです。

 口の中、とくに前歯のあたりの唇。

唇の外側も内側も急所というくらい苦手です。

これは、赤ちゃんにも若干見られます。

赤ちゃんも前歯の歯磨きは苦手な気がします。

 

ちなみに

過敏のあるお子さんは

触れた感触が

しっかりと脳に伝わっていない、

(ボディーイメージがついていない)

普段からその部位を動かさない、

この2つの理由で

過敏のある部位は筋肉の動きが鈍かったりもします。

 

では、脱感作についてです。

脱感作とは、過敏のある部位に触れて

触れられることに徐々に慣れてもらう方法です。

触れられることで、自分の体を認識し

ボディーイメージが明確にもなります。

 

触れ方ですが

先ほど話した

しびれた足を思い出してください。

しびれた足を指でつつくとビーン!ときますが

手全体で包みこむように触れると、しびれが和らぎませんか。

触れ方はしびれた足を包み込むようにです。

 

そんな触れ方で

体の外から内に向かってゆっくりと触れていきます。

手の先から

手首

首。

 

耳から

唇の脇

上唇と上

あご。

 

ゆっくりと温かい手で触れます。

 

これが教科書的な

触覚過敏と脱感作についての説明です。

 

ここからは自己流です。

 

私は過敏を取るために

東京都にある桐ヶ丘特別支援学校の

静的弛緩誘導法をよく利用します。

肢体不自由のお子さんのための

体に対するアプローチ法なのですが

体が元気なお子さんにも

とても有効です。

 

こちらについてはいろいろと

語りたいのですが

語る資格はないので

よかったら本を読んだり

桐ヶ丘特別支援学校の

研修を受けてみてください。

 

静的弛緩誘導法は

方法論というよりも

子供への向き合い方をまず学ぶような

そんな、素晴らしいものです。

 

参考本はこちらです。

 

 

 

静的弛緩誘導法のふれあい体操は

音楽と一緒に

かなり体の細かい部位まで触れることができるので

とても良いです。

 

音楽があるので

子供も触れられることに対する

嫌な気持ちが軽減されます。

 

脱感作やふれあい体操などは

毎日続けたら、効果抜群です。

月に一度では

あまり効果ありません。

週に2度くらいはお子さんに触れる機会を持った方が良いと思います。

 

大事なポイントです

温かい気持ちで

温かい手で

温かいまなざしで

このポイント、絶対に忘れないでください。

 

脱感作以外のアプローチとしては

いろいろな

感触に触れる機会をつくる。

手や足でいろいろなものに触れる。

 

感触あそびですね。

そんなことも有効です。

感触遊びの前には

脱感作やふれあい体操を行って

心と体が

物に触れるまえの準備をしましょう。

 

感触遊びは

乾麺、茹で麺、すらいむ、

粘土、こんにゃく、砂、なんでもよいと思います。

 

温度はぬるく

やわらかいものから始めるとよいです。

ええ、ソフトプレイです。

 

砂はこちらがおすすめです。

 

 

 

色の種類が豊富なので

お子さんの好きな色の砂を使うと

抵抗感が少なくなると思います。

 

以上、ざざっと

自閉症発達障害のお子さんの偏食について

 

  1. 私が偏食をどうとらえているか
  2. 偏食について、どのようなアプローチをしていったのか

話しました。

わかりにくかったでしょうか。

 

わからないことは、ご質問いただければと思います。

 

次回は

私がかかわったお子さんの事例を紹介したいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

皆様の心が

明るく、軽く、温かく

光に満ちますように。