子育て専門家の頭の中

療育の専門家です。こどものこと、発達障害、知的障害、肢体不自由のこと、ときどきスピリチュアルについて日々の気づきを書きます。読んだ方のお役に少しでも立てたら幸いです。

教師になった初めての日のこと

こんにちは。学校の先生です。

今日は3月27日です。

何の日かご存知ですか?

 

3月27日は

 

異動する先生、新規採用の先生が

4月から勤務する学校へ打ち合わせに行く日です。

 

この日に、新しい環境、人に出会って

思いを新たにするのです。

 

なぜかふと

自分が新規採用されて

初めて勤務する学校へ行った日のことを

思い出したので

今日はそんな思い出話をしたいと思います。

 

20年くらい前かな。

10月頃に教員採用試験の結果が送られてきて

父親に

「来年から先生になるから」

と報告をしたら

とても喜んでくれた。

 

年を開けた3月に

一通の手紙がポストに入っていて。

 

初めて勤務する学校の名前と

3月27日にその学校へ行くようにと

シンプルに記されていました。

 

大学時代、なりたいものが見つからなかった。

何となく教員採用試験を受けて、

落ちた。

何となく普通の会社に応募して

受かった。

 

友達に先生になった人がいて

給食があり

夏休みがあり

ボーナスの額が

私の4倍はあった。

 

会社員より、全然いいな、と思って

本気で勉強して

試験を受けて

受かった。

 

当時の私には

教育とか

子供とかに

かける熱い思いは

なかったな。

 

3月27日

当日の朝、

スーツを着て家を出て

古い校舎に入りました。

 

スリッパに履き替えたとたん

懐かしい匂いがした。

 

印刷物の匂いと

コーヒーの香りが混ざった匂いだ。

 

小学生の時に

職員室にいくと

こんな匂いがした。

 

そこで私は

吐き気を覚えた。

 

10年以上前と

変わらない世界があることに。

 

世界はどんどん変化しているのに

ここは

変わらないのか。

 

学校の先生というのは

変わらない生き物なのか。

変化の必要ない生き物なのか。

こんな世界で

私は

死ぬまで生きるのかと思ったら

吐き気がした。

 

そしてぺしゃんこに

気がめいった。

 

職員室の雰囲気は

独特で

閉鎖的で

妙な仲間意識で成り立った

変に明るい、生ぬるい人たち。

 

会社員だった私には

なんだか

なんだか。

とにかく異質な場所だった。

 

図書室に案内されて

学校のことを

主事から説明された。

 

障がいの重いクラスと

軽いクラス、

どっちが良い?

 

と聞かれて

何も考えず

 

重い方で。

 

と答えた。

 

どんな生活になるのか

さっぱりわからない。

 

図書室から玄関へ戻るときに

渡り廊下から

花壇が見えた。

 

チューリップが

赤いチューリップが

揺れているのが見えた。

 

それを見たら

 

大丈夫、

やっていけそう

って思った。

 

大好きなチューリップがあるから

辛くても

花を見れば

何とかなる

と思った。

 

 

私の実家は

寒いところで

3月はクロッカスの季節。

 

4月の終わりに

チューリップと

桜が咲く。

 

3月27日に

こんな不安な

めいいっぱい不安な日に

チューリップが見れるなんて

奇跡だった。

 

くすんだ赤いチューリップは

しっかりと

記憶に焼き付いていて

今もなぜか覚えている。

 

 

 

これが

私の3月27日の思い出です。

 

わたしのような吐き気を覚える人は

いないと思いますが

 

3月27日は

おおよその人事が発表され

担当の学年や

隣のクラスの先生や

係りの仕事が発表されています。

 

それをふまえて

4月からの生活に向けて

いろんな先生の

不安な思いとか

ドキドキした気持ちが

 

日本全国の

学校で

ぷかぷか浮いているのですよ。

 

面白いですね。

やっぱり学校は独特な場所です。

4月1日の雰囲気も独特です。

 

これから

私たち、学校の先生は

新しい4月に向けて

不安な気持ち、

ドキドキする気持ちを

抱えて

土日を過ごし

最後の3月31日を過ごし

4月1日を迎えるのですよ。

 

今の私は

何十回と3月27日と4月1日を迎えて

だいぶこの特別期間に慣れました。

 

どんな学校でも

どんな先生と一緒でも

どんな子供たち、生徒達でも

やってみなけりゃ

わからない。

 

こんな気持ちで今を過ごしています。

 

今日は3月27日についての

思い出話でした。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

皆様の心が

明るく軽く

温かく

光に満ちますように。